『掘らない資源』
濃縮海水から希少元素・金属を回収

海水淡水化の副産物の濃縮海水は大部分が沿岸廃棄されている。この廃棄される濃縮海水の有効利用や環境負荷低減を目的に、濃縮海水に含まれる塩、リチウム、ウラン、マグネシウム、カリウムなどの回収技術に関する研究開発を行う。
マグネシウムの回収などは100%を海外(特に中国)に頼っているのが現状で、海外に頼らない安定供給や電解コストの低減に向けた新しい精錬(地金)技術の開発が重要課題となりつつある。


今後の展開

海水淡水化の需要は、人口の増加・産業の発展とともにますます高まっていく傾向にある。その際の副産物である濃縮海水の有効活用は日本国内のみならず世界規模でも重要な技術となる。海水に含有されている有価資源は多種にわたり、各資源毎の分離抽出を低コストで実現することにより、非資源国における産業発展の基盤となると同時に、相対的に資源大国からの圧力抑制にもつながる技術となりうる。